スケールメリット(規模による利益享受)を享受できない中小、及び個人事業主が、アパレルで大きな利益を得ようと思ったら、次の二つの方法しかない。
①権利取得した新規性・特殊性デザインを広める(売れる)事。
②ブランディング
①については、実用新案、もしくは意匠登録のいずれかが該当する知的所有権であるが、世の中にリリース(発売)する前でないと権利取得が難しい。
つまり特殊性があり、現在の世の中で新規性と認められないといけない。例えば、ストールをマグネットで止めるとか・・・衿にワイヤーを入れて形が自由に作れるとか・・・ベルトとスカーフを一緒にした特殊新規性デザインとか・・・(*以上、実際に権利取得している会社があります)
無論、一般的な形を権利で抑える事はできない。
この方法については、運良く売れていった場合に、権利というものが守ってくれるので、「値段競争」に巻き込まれない。もちろん、かなり売れた場合は、権利を潜り抜ける類似品が出る事になるが・・・
また、権利取得していれば、会社の規模は関係なく、権利を持っているほうが強いので、権利デザインを大手に売り込む事も可能だ。
②のブランディングについては、ブランド認知を高め、ブランドで売れるように持っていく戦略だ。過去から現在にいたるまで、業界ではこの戦略が最も主流だ。
例えば、他業種だが・・・・・ストレス社会の今、味の素の「グリナ」というサプリメントの売り上げが急拡大している。アミノ酸の一種グリシンに神経鎮痛作用があり、不眠症に効く(薬事法で不眠に効くとは表記できないが・・・)という事で、1年で3倍近くも売り上げが伸びている。現代社会は5人に1人が何らかの睡眠障害を抱えているといわれているが、まさに時代に合ったサプリメントだ。(こんな時代が来る事を、かなり以前から予測して味の素が研究してきている)
もちろん、急激に伸びてきた「不眠症サプリメント」市場を他社が指をくわえて黙って見ている訳でもなく、同じグリシンのサプリント(グリナは味の素の登録商標だが、グリシンは一般のアミノ酸なので、どのメーカーでも使用できる)を出してきている。しかも、近い含有量で値段は味の素に比べ格安だ。
これが、まさにブランディングなのである。大手の味の素が出す「グリナ」は1ヶ月分が税込約¥6900に対し、他社マイナーブランドのグリシンサプリは約¥2000前後しかしない。
味の素のスタッフに聞けば、おそらく、中身(質)が全く違うと言うだろうが(実際にかなり違うかもしれないが・・)、成分・含有量はあまり変わらないものが3倍以上もの値段で売っても売り上げが急速に伸びている。
これは、不眠症サプリメントという新しいジャンルを構築した先駆者(パイオニア)という強みもあるだろうが、それにも増して、味の素ブランドの安心感・信頼感の長年に渡るブランディングがしっかり出来ているお陰だ。そのブランディングのお陰で消費者は味の素「グリナ」を選ぶ。
詳しい原価率は知らないが、おそらくスケールメリットを最大限活用できる味の素は、しっかり多くの利益を取れており、「グリナ」などの健康基盤商品というジャンルを今後の基幹産業にしていくだろう!?
なお、ブランディングは中小・個人でも、やり方によっては可能だ。
商標登録を最低限行い、商品というよりブランド名「〇×△」で売っていく。
権利を申請後は、ひたすら〇×△の強烈なテイスト(世界観)を作っていけばいい。
もし、その強烈なテイストがユーザーに受け入れられ、運良く売れた場合に、〇×△で売っていれば、値段競争に巻き込まれにくい。いくら相手が大手でも、商標登録という権利が守ってくれるので、〇×△は自分しか使えない。
中小は、逆立ちしても値段競争では大手にかなわないので、上記2通りの戦略は必要だ!
流れとしては、
まず、自己満足視点ではなく、ユーザー視点(ニーズ)で商品を企画。(この部分で、はずしてしまうと、その後の動きがムダになる可能性が大なので、企画が一番重要。生地の良さや縫製の良し悪しではなく、企画が大事)
次に、ブランドロゴを商標登録申請。
次に、デザインなどを権利で抑えられるようであれば、権利申請。
その後は、老若男女ではなく、一点に狙いを定めて、絞りに絞ったターゲットに向けてひたすら訴求。
何度も言ってきましたが、良い商品が売れる訳ではなく、売れるように企画し、売れるように販売する商品が売れるのです!
また、利益も、ロスとの戦いのアパレル業では、利益が残るように企画しないと、儲けていくのは難しくなります。